脳梗塞の最大の原因は高血圧です

糖尿病や脂質異常症、喫煙習慣などが脳梗塞の大きな原因となりますが、最大の原因は高血圧です。血圧が高いと血管壁にかかる力も大きくなります。血管の内膜には、水に換算すると1m70cm近い圧力がかかっています。これは地面にホースを置いた場合、1m70cmの高さまで水が噴き上げるほどの圧力がかかっていることになります。

重症高血圧になると、収縮期血圧180mmHg以上、または拡張期血圧で110mmHg以上ですので、最大で2m45cmまで噴き上げるほどの強い圧力です。このような圧力が常に血管壁にかかっていると、血管壁が傷つきます。この傷に血液の成分がおかゆのように溜まって盛り上がり、血管の内腔を狭めてしまうのです。

そのため、高血圧で血管が切れて脳出血を引き起こす前に、動脈硬化で詰まってしまうことがあります。このような変化は頸動脈に起こることが多いので、脳・心臓血管系を調べるときには、頸動脈エコー検査を行うことが大切です。

しかし、脳ドックの簡易コースなどではMRIとMRAのみで頸動脈エコーが検査に含まれていない医療施設もあります。

血圧は多少高くなっても、自覚症状はないため、本人はそれと気づかずに生活しているケースがほとんどです。また、例え頭で高血圧=脳血管障害の危険因子ということを理解していても、健康に実害を実感していないため予防も怠りがちです。

しかし、このような状態は健康とは言えません。常に爆弾を抱えているようなものですので、食生活の改善や運動を習慣づけるなどして、高血圧を改善することが求められます。